浸透圧

好きなものを好きと大いに言い、自分内の流行り廃りや自分自身を整理整頓したりもする、日々の徒然。

「社会に適応する」ということ

残念ながら良性ではありませんでした

 造影剤を入れてのMRI、及び子宮内視鏡検査の結果、所見は「内膜増殖異型、前癌または体癌の疑いあり」でした。前癌であれば卵巣を残して子宮全摘、体癌であれば卵巣も含めて全摘、転移があれば勿論そちらも、ということになります。

 事前に、癌で慶應にかかったことのある方から、慶應は基本保存療法を取らないので黒となったら即切除と思った方が良い、と言われていたのもあって、先生から「最終的に子宮全摘と言うことになった場合、どう思われますか?」と尋ねられても「別に構いません。子供を産む気はありませんから」としかいいようがありませんでした。

 自分では、変な話予測が付いていたような所もあって、言われても「あぁそうですよねぇ」って感じで余り慌てていたり動揺していたりはないんですが(私より母が大変でしょう多分)、なんというか、色んな意味でツケが一気にきたなぁ、という風には思っています。

 

病院にはまめに行く方ですが

 軽微な症状で、という訳ではなく、トラブルがあるから行く訳なんですけれども、一方でそうやってこまめに躰のメンテナンスをしながらも、大局の所で私は随分長いこと自分の躰にきちんと向き合ってきていませんでした。

 今まで私が病院に行くのは、取りも直さず「9-5週5のフルタイムで仕事をする為に障害になることを排する為」でしかなかったな、というのを今つくづく感じています。

 親友に、もうその「フルタイムで働かなきゃ」みたいな強迫観念は捨てなさい、と諭されて、やっと私は己のその強迫観念に気づいた有様ですので、余程に根強くその「働かざる者食うべからず」であったり殊更に「普通でなければならない」であったり、そういう思いが私の中にあったのだと思います。

 親友に「それがあなたを苦しめている元だよ」と教えられて、改めて振り返ってみると、「フルタイムで働く」ことの実現の為に、自分がどれだけの物から目を逸らしてきていたのか痛感します。

 私にとって「フルタイムで働くこと」=「きちんと社会に適応していること」であり「普通のこと」であったのだと思います。私は自分の生育歴が必ずしも「普通」でないことを強く実感していますので、殊更に「普通」を標榜するきらいがあります。それは勿論自分自身の思いこみによるものだけではなく、近しい人(主に母ですが)からの刷り込みも大変に大きかっただろうと思いますが、そのことによる弊害が、今回まとめて目の前に羅列されている気がします。

 

摂食障害」と言い切れるかどうかわかりませんが

 食べ物パラノに顕著なように私の摂食にはちょっと正常とは言い難い傾向があり、精神的に不安定になるとまず過食が出ます。これが悪いことに(長い目で見れば余程に良いことではあるのですが)過食嘔吐ではなく単なる過食です。しかも甘い物限定。もっと荒んだ状態になってしまうと安定剤などのOD(+飲酒の場合もあります)などで済むのですけれど、過食となると躰のあちこちに様々な影響がありすぎます。

 ちなみに今回掻爬の処置での入院日は決定しましたが、私自身はそう簡単に決まらないのではないかと予測していました。何故なら麻酔科の医師が絶対に嫌がるであろう数値が血液検査の結果出ている筈だというのを私自身が知っていたからです。

 その値というのがヘモグロビンA1Cといって、要するに糖尿の傾向ですね。この数値が高い=糖尿のケがある、もしくは既に糖尿病の域に達している、ということになります。この件について勿論薬は出されていますが、ここの所の数値の下がりが良くない為、先日薬を増やされた所でした。

 今かかっている内科の先生も心療内科の先生も、この事実に関しては勿論ご存じですし、本人も、血液検査の結果の異常数値が殆ど己の肥満に端を発していることは重々承知しています。ただ、どちらの先生もその点について強く私に指導ができなかったことについては、やはり理由があります。

 肥満には基本運動と食事療法ですが、運動に関しては私が極度の片頭痛持ちであるが故に、少しでも頭痛の根っこがある日に動くと悪化する、もしくは悪化するのではないかという不安と恐怖で本人が動けない、という問題があります。そして最近良くなってきたとはいうものの、今までの私の片頭痛の根っこは、365日中ないのは5日位、という有様でした。

 そしてもう一つの食事療法に関しては、先述の通りの過食があり、それが薬でどうにもなってこなかった為に今まで謂わば野放しの状態ではありました。医師からすれば、ODや自傷行為よりはまだ過食の方がまし、であったのかもしれませんし、その辺りの判断基準はわかりませんが、とりあえず手はうってはいたものの決定打にはならず、の状態が長く続いていました。

 ただまぁ、手術ということになると、この数値を放置して手術ということは絶対に出来ないので、掻爬処置後の手術の日程を繰り下げてでも、なんとかここをどうにかしないと先に進めない、という事態ではあります。

 とりあえず食事に関しては専門の宅配を手配し、過食衝動についての対処は、次回予約を待たず早いうちに心療内科に相談に行く予定です。

 

ずっと問題ではあったことです

 肥満に関してもそうですが、月のものの不順やおかしな傾向については、もうずっと長いことその状態が続いていて、ただ、それがあったからといって社会生活に問題が起こらないが故に放置してきた所があります。

 先に記した通り、私は「フルタイムで働くこと」に邪魔になる症状については都度都度まめに病院に通いましたが、それ以外の事についてはさしたる問題と捉えることもなく、スルーしてきてしまっていました。今回ここへきて一気にそれが全て問題として可視化されてみて、いかに自分が自分の躰に無頓着で、きちんと向き合ってきていなかったかということがやっと身に染みたっていう具合ですから、大層悠長なことです。

 フルタイムの仕事の強迫観念から逃れた今、こうしてちゃんと向き合いなさいよという機会を与えられたことは寧ろ幸運だったと思って真摯に受け止めなきゃなと思います。

 「社会に適応すること」というのは、必ずしもフルタイムで働く事じゃない、自分の躰の稼働限界を知った上で、できることと出来る範囲で社会と関わることだ、という風に今は思えていますので、暫く無職の状態は続いてしまいますけれど、兎に角この躰を今はどうにかすることが先決だという風には思います。

 色んな事が一辺に起こったように思えますけれど、根っこを辿れば一つのことで、そしてその為の障害は我が親友がちゃんと私の目を開いてくれましたから、焦ることなく、そして目を逸らすことなく、一つ一つを片付けて行けたらと思っています。

 ので、すぱーん!と明るい経過報告ではないですけれど、心配して見守って下さっている方の情をひしひしと感じつつ、本人自体は割と落ち着いていますのでご安心下さい。