浸透圧

好きなものを好きと大いに言い、自分内の流行り廃りや自分自身を整理整頓したりもする、日々の徒然。

「ご家族と一緒にご説明を」

という奴に本日行ってきました

 なんか闘病日記みたいになっちゃっててすいません。身動きとれないのでこんなネタしかなくて。

 入院中の看護説明と麻酔についてのオリエンテーションもあり、その上婦人科が激混みだったために朝の8:30に家を出て、帰ってきたのは15:30という一日仕事でした。私も疲れましたけど、付き添いの母が疲れたでしょうねぇ。

 前回受けた造影剤MRIと子宮内視鏡検査の結果をまず画像含めて見せられましたが、あ、こらあかんわ、という感じに、内膜内のポリープが凄いことになってました。ただMRIでの画像を見る限りでは、癌様の隆起は見られないとのことで、現在の正確な所見としては「子宮内膜増殖症異型複雑型、もしくは子宮体癌の疑い」です。

 これの前者と後者の何が違うかというと、前者であれば子宮のみの全摘で済む、後者であれば卵巣卵管まで含めて摘出、及び転移の有無を調べる為に要CTでの検査、ということになります。まぁいずれにせよ子宮全摘は避けられない事態です。

 ちなみに今の所見において全摘した場合の5年生存率は100%だそうですが、卵巣まで摘出してしまうと、高血圧など他に余波が出る、というお話でした。私の場合は既にある病気との兼ね合いがあるので、できれば卵巣は摘出したくないのだけれども、体癌であればそれはもう致し方ない、とのご説明でした。

 ちなみに、ほんとにどうでもいいことですけれども、手術の時にはご家族に立ち会って頂きます、という説明の際、除去したものも確認をしていただく、という風に先生が言ってたので思わず母に「写メっといて」といったら、先生に、「あ、こちらで写真も撮りますし、何なら印刷しますよ」と言われた馬鹿はこちらです。

 

カルテには赤い太字で「挙児希望なし」と書かれていました

 挙児、と婦人科で言う場合「子供を出産することを希望する」という意味になるかと思いますが、前回私一人で受診した際、「全摘になったらどう思いますか」と聞かれて「構いません。出産は希望しないので」と答えたことからカルテにはそのように記載されたのでしょうが、母の目にそれが入り、再度それを尋ねられて私が「全摘問題ないです」というのを横で聞いていて、流石に母もちょっと複雑だったろうなとは思います。ただ、診察ですからそこで付き添いに気を遣っても仕方ないので私もきっぱりそういうしかなかったのですが、異型複雑型にせよ体癌にせよ、どっちに転ぼうが全摘はもう避けようのない現実なので、母にもそれは諦めて貰うより他ありません。

 私は元々、結婚願望もなければ子供が欲しいという気持ちも持っていなかった人間です。特に子供に関しては、負の連鎖を自分で断ち切る為に絶対に私の代で終わらせるんだという気持ちでいましたから、物理的にそれが出来なくなることに対して、寧ろ清々しい位の気持ちすらあります。何しろ機能がない訳ですから、周りに何を言われようとも、ないものはないし無理な物は無理で通せる事になる訳なので。

 

生んで育てて連鎖を切れる人は本当に凄いと思います

 負の連鎖、というとDVとか遺伝の云々とか色々ありますけれども、そうしたわかりやすい物だけでなく、己の血の中にどうしようもない悪玉がいることを感じる事って、普通の人でもあると思います。私の場合はまず家庭環境がどうしようもなく普通ではないのと、実の父親がとても他人様に言えるような人間ではないことと、実の母親が持っている性というか業というか、それらのことを、殊更に強く自分の中に感じる瞬間が幼い頃から結構ありました。ですから、「この連鎖は自分で止める」という気持ちは前からかなり強かったと思います。

 私の母は昔、「私は自分の家の連鎖は私の代で断ち切った」と言い切ったことがあります。今の彼女がなんというかはわかりませんが、今現在の私を見れば、その連鎖が切れていないこと位明々白々です。

 ですから、私の母には出来ませんでしたけれど、真っ正面から立ち向かってそれを断ち切った人達というのを私は心から尊敬します。もの凄いエネルギーのいることで、なまなかな覚悟や苦労で出来ることではありません。

 ですから、根が自堕落な私ではとても自分の子供が出来た時に、スポイルしない自信がないので、作らない、という方を選択しました。

 産めるのに産まない、というのは、欲しくて得られない方からしたらとんでもない傲慢だったり怠惰だったりするかもしれません。けれど、この躰に流れる血を、性を、業を、次代に引き継いでしまってはいけないと私は思っています。

 

掻爬の手術は15日です

 14日に入院し、手術に備えた前処置を受け、15日の午後掻爬の手術を受けて、その後看護師さんと一緒に歩く練習とかして(最初は上手く歩けないらしいです)、翌日の朝には退院します。退院したらすぐ動けますか?と説明担当の看護師さんに伺ったら「大丈夫、バリバリ動けますよ!」と言われたので、水曜のベルカントのレッスンには行く気でいたのですが、麻酔の際に気道確保の為に挿管をするらしく、それが喉の粘膜を傷つけ風邪を引いたような声が掠れた状態、痰が出やすい状態になるのだそうです。ですから、一回の無理で後に響いてもなんなので、水曜日のレッスンはお休みもしくは振り替えにさせていただこうと、明日先生にご連絡するつもりでいます。

 その掻爬の結果、灰色なのか真っ黒なのか(今回の場合白は有り得ませんから)判断が付くのが大体二、三週間ということで、5/1に次回の婦人科の再診の予約を入れていただきました。ちなみに全くどうでも良いことですが神経内科の予約が翌日だと後で気づいて、同じ日にして貰えば良かったと後悔しました。二日も病院で半日仕事とかへとへとですよねぇ。

 5/1の再診の際に、その後の手術の日程や方法が決まる事になると思います。まぁどっちに転んでも全摘は全摘なのでその手術については覚悟は出来ていますが、問題は転移があった場合ですねぇ。

 うちの猫は今年9歳になったばかり、20年生きると考えても後11年私は頑張らないと行けないので、出来るだけ心穏やかにネガティブなことは考えず、生きる希望に満ちたことだけを耳目に入れるようにして臨みたいと思います。

 …といっても、所詮は小さな人間ですから、あっちにぐらぐらこっちにぐらぐら、実際は不安定なことこの上ないんですけれども、よしんば最悪の事態になったとしても、癌であればまだ突然死より準備が出来るだけマシと思って、よし最悪の中であっても前向きに行ければいいなと思います。

 こういう私の気持ちに寄り添い、支えてくれる友人達には本当に感謝しています。彼等がいるから、ネガティブまっしぐらにならずに済んでいます。私如きの小さな人間に、なんて大きく温かい気持ちをくれるのだろうと、心から有り難い気持ちで一杯です。

 私の大切な人達へ、いつも本当にありがとう。